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14、そして悪夢の大逆転!!@
20世紀の終わりが迫る、12月末の事だった。
大阪外大の勢いに乗って、一般入試も全部合格してやる、こう心に決めていた。外大の合格という「確実な保険」は、そんな受験を続ける僕を、楽にしてくれていた。外大合格があるか、ないかでは話が全然違う。肩の力が抜け、余裕が生まれた。
そんな中、外語大学から一通の手紙が来る。これが運命を狂わせる、全ての始まりだった。 「入学おめでとうございます」こんな祝電の様な内容だったが、僕はある箇所にはっと目を止めた。それは入学条件である、「単位数」であった。1年生編入では入学条件で32単位必要である。普通の昼間の大学生にとっては、難なくクリア出来る楽な単位数だ。
ところが「夜間」では話が違う。夜しか授業のない夜間では、一年間に最高で32単位ギリギリしか取れないのである。そうなると、僕は最高単位数を取らなければならない。普通の昼間の大学なら50単位ほど登録して、その中から32単位とればよい。余裕である。ところが夜間は32単位しか登録できない。全部取らないと32単位という条件は満たせない。
「夜間」、この言葉がまた僕をしめつける。フルで単位を稼ぐためには、しっかりと腰を据えて勉強をしないと難しいもの。ただ受験勉強を続ける僕にとって、果たしてそれは良い事なのだろうか、こんな疑問が生まれた。
編入受験当初、僕は「単位数」について軽くしか考えていなかった。そんな事より、まず試験に合格することだ、と自分に言い聞かせていたからだ。編入受験生なら誰でもそうだろう。「単位」など心配にも及ばない些細な問題だ。
ただ「夜間」では話が違ったのだ。 単位を取るために、受験勉強をやりながら、大学の勉強もやればいいじゃないか、と思った事もあった。 しかし正直になれば、それが決して良い事とは言えないだろう。これから僕はさらなる高みに向けて、どんどんペ−スを上げていかねばならない。その先には「早稲田慶応」、そして「東大」が待っている。大学の勉強している少しの暇があったら、もっともっと受験勉強をしなければならないのではないか、こんな疑問が生まれた。
また続いてその手紙には、こう書いてあった。「入学金30万は、1月25日までにお納めください」2月の一般入試も受験するんです、お金はそれまで待ってくださいなんて、都合の良い事は通じない。このまま受験を続けるための保険にしては、30万は高すぎる金額であろう。
今、入学金30万円払うなら、受験を断念して大学の勉強に集中し、大阪外大に確実に行かないと筋が通らない。また、もし外大よりさらに良い大学を狙うなら、外大を捨てて受験勉強に専念しなければならない。 受験も外大どっちも両方など、「妥協」は出来ない。やるんだったら、どちらか一つという状況に追い込まれてきた。
最高の幸せから一転、思いも寄らずに事態が一変した。「ここでやめるか」僕はふとそう思った。ここまでよく頑張った。偏差値80まで上げてきた。今の大阪外語大学でも十分素晴らしい大学だ。胸を張って自分を紹介できる。「大阪外語大学生です、偏差値70です」と文句ない。説得力を持って夢を語れる。 ある意味「保険」が出来た事で、僕の意志は弱くなっていた。受験勉強も常に限界のラインにいる。いつでも投げ出したい思いで一杯だ。
毎日悩み続けた、そんな時だった。僕の話を聞いていたシンジさんが、一言こう言った。
「今ならいけるんじゃないでしょうか」
今思えば、この一言が僕の運命を変えた。 彼はこう続ける。「斎藤サンは偏差値80まで来ました。そして難なく大阪外語まで手に入れましたよ。だから今ならいけます。東大や早稲田慶応も確実にいけますよ。日本の頂点が、今目の前に見えているんですよ!」 僕は全身に衝撃が走り、答えが決まった。
僕は「妥協」だけはしたくなかった。変な言い訳をして、これからの一般入試の戦いを汚したくはなかった。そう去年は心に決めていたはずだ。「偏差値の高い大学に行って、ほめられたい」、そんな僕の思いは、何一つ迷いや虚飾も無い。だからこそ、そんな純粋さが僕を極限まで追い込んだのだ。「奇跡」だった。
誰もが受験が終わったと思った。僕でさえも一応のケリをつけたつもりだった。しかし、何一つ終わってなどいなかったのである。 大阪外語大合格は消えた。そして僕には何も無くなった。 「夜間」ゆえに僕はブランドに執心し、ここまでやって来た。だが最後はその「夜間」が、「単位数」という些細な条件をこじ開けて、重くのしかかってきた。始まりも終わりも、やはり「夜間」だったのだ。 僕はこの奇跡に、悔しさと恐怖を感じながら打ち震えていた。
自分で決めたことだ。文句は言えない。しかしそんなことを言っているのではない。なんでこんなにツイていないのか、という事だ。確実になったはずの「夜間脱出」。しかし奇跡が起きた。やはり叶わなかった。

<ルミナリエの時期、、斉藤さんやシンジさんは孤独な戦いを続けていた。。。>
関連リンク
- 神戸ルミナリエ
- ちなみに2006年の神戸ルミナリエは、12月8日(金)〜12月21日(木)に開催
- 名古屋⇔東京間が¥3,500〜!

- 斉藤さんが戦った街、神戸へルミナリエを見にいってみよう。バスだと格安でいける。
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